投稿:親鸞会のいつもの断章取義
顕正新聞5月1日号の「論説」に次のような文章が載っています。
我々親鸞学徒が破らねばならぬ邪義は数多い。その代表的なものが浄土真宗に三つある。
一つは、後生を認めない一益法門の異安心だ。死後の浄土往生を認めず、弥陀の救いはこの世だけとする誤りである。
蓮如上人の封印を破って『歎異抄』を世に広めた清沢満之に始まる近代教学といわれるものだが、このたび発刊された、前・大谷大学学長・小川一乗氏の監修による「『歎異抄』の世界」を読むと、相変わらずその邪説が繰り返されている。
「浄土は死んでから行く世界などと主張すれば、親鸞の仏道の正しい了解ではなくなってしまう」
「『大経』に説かれる往生浄土は、通念的に理解されるような死後の往生ではない。(中略)親鸞が言う浄土は死後の世界ではなく」
本願寺教学のトップが、堂々とこのような本を出しているのである。
私は実際にこの本を買って読んでみました。
最初の引用文はこの本の136ページの最後に確かに載っていますが、いつものごとく「断章」でした。
この文章の直前に「だから人間の浅はかな分別によって、」という文章があります。
その前のページに
したがって西方十万億土のかなたにあるユートピアであるとか、または、人間的なものの一切を受け付けない彼土というのなら、死んでから行くしか仕方のない世界であると考えてしまう。しかもそれが一般的な通念にまでなっている。しかしもともと仏典で説かれる浄土は、われわれの分別で考えられる世界ではない。仏道として説かれる世界なのだから、むしろわれわれの分別が破られた自覚の世界を、浄土と説いているのである。
とあり、次に
如来の真実に照らされて、無意識に自分を立て、そこからしかものを見ることができない誤りを深く懺悔したものに対し、真実の方から開かれてくる世界を浄土と表現している。分別とか自己執着が作る世界が娑婆ならば、それが破れた世界を浄土というのである。
とはいっても人間だから、そのような懺悔の体験を持っても、自己執着が完全になくなるわけではない。しかし一旦浄土に触れた者は、自我がどれほど愚かであるかを照らし出されているのだから、その人には、何としてもその自我の執着を超えて浄土に帰ろうとする歩みが始まる。浄土によって、人間が人間以上のものになっていこうとする歩みが始まるから、それを仏道と呼ぶのである。だから人間の浅はかな分別によって、「浄土は死んでから行く世界などと主張すれば、親鸞の仏道の正しい了解ではなくなってしまう」。
(かぎかっこは私が入れました)
と書かれています。
この文章を読む限り、死後の世界を否定している文章ではなく、通念的な浄土の考えを否定して我々の分別できない世界だと主張している文章だと思います。
二番目の引用文は、153ページから154ページにあります。
この引用文にも「通念的に理解されるような」とあるように、死後の世界を否定した文章ではありません。
引用文の直前は11願成就文についての説明です。
中略の文章は
親鸞は、だからこの成就文の「それ衆生ありてかの国に生ずれば」の部分を『一念多念文意』では、「それ衆生あってかのくににうまれんとするものは」と読み替えて、浄土に生まれてからの位である正定聚を現生の信心に先取りする、と言う。
です。
そしてその後に
「要するに親鸞が言う浄土は、死後の世界ではなく」て、信心に開かれる如来の境地である。他力の信心はわれわれに起こるけれども、如来より賜った信心にはわれわれを超越した如来の世界が開かれるというのであろう。
(かぎかっこは私がつけました)
ここでは現生正定聚を説明した文章だと思います。
会員には「高森会長の著作物以外の本を読むな」と言っているので、わざわざお金を出して大谷派の本を買って引用文を探す人はいないでしょう。
大谷派を「死後の浄土を否定している」というように思わせ、高森会長の本のみが真実だと思わせるやり方には怒りを覚えます。
会員が不憫でなりません。
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コメント
どうやら高森会長は文章が理解できないようだ
ただ、文章の暗記や、煽動的な文への休暇こそは優れている。
結果、原文を無視して、一部を切り貼りし、センセーショナルな文章を作り出す。悪意なく、本人には本当にそう読めるのでしょう
投稿: | 2010年6月21日 (月) 12時43分
会長でなく、弘宣部員(渡部?)の書いた文章だろうが、断章取義っぷりは会長ゆずりだな。
2〜30年前ならともかく、この情報化時代のきょうび、こんな大本営発表は通用しないはずなんだが…
現役会員はお金や時間や精神的な余裕がないから、おかしいなと思ったり自分でいろいろ調べてみるゆとりすら持ち合わせてないんだよな。
疑問を持たせない、持つ余裕を与えない、まさにカルトの常套手段だ。
投稿: がすしつがかり | 2010年6月21日 (月) 13時39分
断章取義だろうとねつ造だろうと、高森怪鳥と組織だけを信じておれば心地よい。会の大本営発表が真実でないとうすうす感じても、真実だと思っている間は居心地がいいんだからいらんこと知る必要はない。
残っている会員はこういう人が少なくないのではないかな。
投稿: | 2010年6月21日 (月) 15時54分
時間の問題だが、会長の後は誰がなるの?ご長男は会員含めて幹部にも嫌われすぎだし、早く辞めないと自分含め親族からもねこそぎお金をたかられるよ。お金をとる方法をあらゆる浄土真宗のなかから探して当て嵌めようと模索しているよ。
投稿: | 2010年6月21日 (月) 19時38分
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俺の暴れん棒貸してやったら8万くれた!!
投稿: 六兵衛 | 2010年6月21日 (月) 20時30分
いつものことでしょう。
投稿: | 2010年6月24日 (木) 22時31分