『なぜ生きる』と虚構の60万
11月1日の顕正新聞「仏眼」にこんなことが書いてありました。
「なぜ生きる」-この最深の問いが、最近TVドラマでよく発せられるようになったのは喜ばしい。反響も大きく、インターネットのブログなどにも沢山意見が書き込まれている。
今、何を視聴者に訴えたらいいか?『なぜ生きる』が六十万もの人に読まれている事実が、番組制作者の心を動かしているのかも知れぬ。
『なぜ』は静かに、しかも確実に濁世を善導している。
(顕正新聞19年11月1日号)
『なぜ生きる』は果たして60万もの人に読まれているのでしょうか。この本が発刊されたのは2001年。早速「宣伝の為」と称して膨大な献金が集められ、その後すぐに「SK作戦」なるものが発令されます。
この作戦、全国の書店から「推奨書店」というブックランキングに影響する書店を抽出し、職員や会員を動員して購買活動を行うというものでした。全国の親鸞会事務所を使って大規模に行われ、親鸞会の関係者は大量の本を引きずりながら全国の書店を回って買い続けました。新風舎とかかわりの深い井狩春男氏が全面協力し、豊富な資金をバックにあらゆる方面からプロモーションが行われました。
全国の本屋で購入された膨大な数の『なぜ生きる』は富山に集められ、倉庫に積み上げられ親鸞会の行事で配られました。毎回のごとく配られるので、会員の家には一度も開いたことすらない『なぜ生きる』が積み上げられました。こうして余った本は会員が知人や親戚に配ったため、全国の古本屋は100円の値札の付いた『なぜ生きる』であふれました。
それでもさばき切れなかったのでしょうか。富山の親鸞会職員があるとき本部会館の一室に集められ、大量の『なぜ生きる』から販促用のしおりを抜いたり選別をしたりといった作業をしており、一旦購入した書籍を再出荷したのではないか、という疑惑もあります。
おそらくこの本を実際に読んだ人は、60万の十分の一にも満たないのではないでしょうか。
『なぜ生きる』では高森顕徹氏が親鸞会の会長であるということすら記載されていません。こんな誤魔化しと狡猾さに満ち溢れた本が「濁世を善導している」など笑止千万です。
しかしいやな本でした。私は高森顕徹というのが何者かも知らず東大、京大、精神科医、哲学者、と言う立派な経歴の著者二人に惹かれ、読み始めたのですが、 出だしに女の子の絶望的な心情を綴った遺書を置き、村上春樹や宇多田ヒカルの様な勝ち組と呼ばれるような人が内心苦しんでいたことなどが引用されていて、 現代人の漠然とした不安を煽りそれからじょじょに宗教的な記述にすり替えていく。新興宗教がよく使うやり方の本です。(中略)しかも私の大学この宗教団体から勧誘される人多いのです。私も一度サークルの集まりだと言われて連れて行かれそうに なりました。皆さんも気をつけて (amazonのブックレビューより)
少なくともこんな本が番組制作者の心を動かしたり、世の中を善導しているなど万に一つもありえないことですから、安心してください。
本件についてはこの記事も詳しいです。
明橋大二医師と親鸞会
こうやって親鸞会は崩壊のその日まで虚構を積み上げてゆくのでしょうか。
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コメント
一人の会員の家に100冊以上あるんだろうな
投稿: | 2007年12月20日 (木) 17時25分